カメラのF値(絞り値)ってなに??
こんな疑問にお答えします。
こちらの記事では、カメラの明るさ調節に関わるF値にとはなにか、意味や設定方法、数字の目安からF値を変えることで写真の写りがどうなるかなど、F値について分かりやすく解説した内容になっております。
F値を理解することで、写真のクオリティが上がったり、背景ボケの大きさをコントロールできるようになります。
筆者もF値を理解するまでに難しく感じた経験があるので、こちらの記事では難しい言葉でもできるだけ分かりやすく解説しております。
F値を理解して楽しいカメラライフを手に入れましょう。
カメラのF値について記事を作りました📷
— そーいち (@tabikura_dialog) March 2, 2024
カメラを始めたばかりだとF値を決めるのさえ一苦労😢
私も始めたての頃はそうでした。そんな経験があるからこそ、F値の基礎から応用までガッツリまとめてみました📝
この記事であなた様のカメラライフがより楽しくなりますように👍🏻https://t.co/ogYNvHUB1I pic.twitter.com/AKTSUuSli0
- F値のことを詳しく知りたい人
- F値を変えることで写りがどんなふうに変わるか気になる人
- F値の目安を知りたい人
そーいち
- FUJIFILMのカメラを愛用&大好き
- 関西の観光地での写真を撮ることが趣味
- カメラの気になる疑問を解決するブログをやってます
カメラの露出について
F値は写真の明るさを調節する要素ですが、F値の他にも明るさ(露出)を決める要素があります。
カメラの明るさを決める要素がこちら。
- F値(絞り値)
- レンズに光を取り入れる量のこと
- シャッタースピード
- カメラのセンサーに光を当てる時間のこと
- ISO感度
- カメラに入った光を増幅させること
スマホや一眼カメラの写真の明るさはF値とシャッタースピード、ISO感度の3つで決まります。
ざっくり分けるとこんな感じ。
- F値=レンズの明るさ
- シャッタースピード=光を取り入れる時間のこと
- ISO感度=カメラに入った光を増幅させること
写真が暗いなと思った時はこの3つのどれかの数字を上げれば明るくなります。また、オートで明るさを合わせる場合はこれらの数値をカメラが自動で調節してくれます。
この3つの露出の特徴を知ることで、自分で明るさをコントロールできるようになり、さらに写真のクオリティは格段に上がります。
今回はレンズから通る光の量を調節するF値について、分かりやすく解説していきます。
露出についての関連記事
シャッタースピード以外にも ISO感度とF値についても分かりやすくまとめた記事を作っていますので、こちらもあわせてご覧ください。
F値(絞り値)とは?
では、本題のF値について解説していきます。
カメラをお持ちの方は実際に操作しながら記事をお楽しみ下さい。
F値(絞り値)とは?
F値とは、レンズを通る光の量を調節する値のことです。
F値は明るさを調節するもので、数字を下げると通る光の量が増えるので明るくなります。
逆にF値を上げると光が通る量が減り、暗く写ります。
数字を下げると光の量が増える?ややこしい〜
筆者も昔はそう思っていました。
しかし、F値とはこういうものだと割り切って覚えるしかありません。
覚えるとは言っても、カメラのダイヤルで上げ下げすれば自然と理屈はわかるようになりますので、まずは触ってみて覚えましょう。
F値を変えると明るさが変わる理屈
赤い矢印の先にある羽根のことを、絞り羽根といいます。
この穴が大きくなるとレンズに入る光が多くなるので、F値を下げると明るくなります。
逆に、この穴を小さくする(絞る)と光の通る量が減るので暗くなります。
明るさを変えられるのは、この絞り羽根で通る光の量を調節できるからなのです。カメラをお持ちでしたら、レンズの中を覗いて確かめてみてください。
F値の設定の仕方
F値の操作はカメラのAモードかMモード(マニュアルモード)で調節できます。
設定の方法はカメラによって変わります。メニューボタンから撮影モードを探すか、写真のようなダイヤル部分にある「A」もしくは「M」に設定して下さい。
設定が完了したら、ダイヤルを回してみて、液晶画面にある「F」の数字が変化するかを試してみてください。
数字が変化したら設定完了です。
F値の数字
F値は上げ下げすると数字が変わります。
初めはとてもややこしい話ですが、F値は1→2→3というようにわかりやすい数字ではありません。
実際にカメラでF値を触ると、F2→F2.2→F2.5→F2.8と、不規則っぽく数字が上がります。
ぶっちゃけこの数字を全て覚える必要はありませんが、次の2つのことは必ず覚えておいてください。
- F値を1つ変えることを1/3段明るくする(暗くする)という。
- 例) F2からF2.2に変更は1/3段明るくする
- 例) F2からF2.5に変更は2/3段明るくする
- 3つ数字を上げる(下げる)と1段明るくする(暗くする)という。
- 例) F2からF2.8に変更は1段明るくする
- 例) F2.8からF2に変更は1段暗くする
数字を3つ上げる(下げる)と1段明るさが変わり、1つの上げ下げは1/3刻みで明るさが変わります。
F値についてはまずこれを覚えましょう。
F値を変えた時の写真の写り
こちらでは、F値だけを変えたらどうなるかを実際の写真をもとに解説いたします。
早速作例をご覧ください。
まずはカメラの適正露出で撮影した写真です。F値はF2.8。
次にF値のみを一段明るくした写真です。F2で撮影しました。
最後に適正露出のF2.8から1段下げたF4で撮影。
通常は1枚目が正しい明るさで、2枚目がF値を下げて明るくした写真。3枚目はF値を上げて暗くした写真です。
設定をご覧いただけると、F値のみ1段ずつ変えて撮影していてそれぞれ明るさが変化することが分かります。
撮影時に画面内の写真が明るかったり、暗い場合はF値を変えて明るさを変えることができます。
レンズによってF値は違う理由
F値はレンズによって調節できる明るさが異なります。その理由を解説していきます。
レンズによってF値が違う理由
レンズによってF値の数字が違う理由は、レンズによって最大の明るさが違うからです。
レンズの品番には〇〇mm F1.4と記載されています。この品番に書いてあるF値は最大の明るさのことです。
例えばレンズにF2と書いてあれば、F2までしか明るくできないのでF1.4などの設定はできません。
F値の低いレンズは大口径レンズといわれていて、明るくできる上限が増える代わりにレンズが大きくなります。
逆にF値が高いレンズはズームレンズやコンパクトなレンズとなります。
次はF値の違いによるレンズの特徴をご紹介。
F値が低いレンズ(大口径レンズ)の特徴
F値の数字が低いレンズは大口径レンズと呼ばれています。
一般的には単焦点のF1.4以下とズームレンズのF2.8以下のことをいいます。
F値が低いレンズの特徴はこちら。
- 明るく撮影できる
- 背景をぼかした撮影ができる
- 一般的に写りがいいといわれている
大口径レンズの特徴はいいことずくしですが、デメリットもあります。
- レンズが大きくなる
- レンズが重くなる
- レンズが高くなる
使用用途にもよりますが、画質&ボケを重視するならF1.4以下の大口径レンズがおすすめです。
大口径とは、その名の通りレンズが大きくなること。
焦点距離にもよりますが、24〜85mmのレンズならF1.4以下は大口径レンズになります。(超広角、望遠はF2以上でも大口径と呼ぶことがある)
F値が高いレンズの特徴
F値が高いレンズは一般的に軽量コンパクトな単焦点レンズか、F4以上のズームレンズが多いです。
特徴はこんな感じ。
- サイズがコンパクト
- 軽さを売りにしているレンズが多い
- 比較的価格が安い
初めてのレンズや、軽量コンパクトをお求めの方はF値の高いレンズがオススメです。
デメリットはこんな感じ。
- 大口径に比べて暗い
- 写りはそこそこ
F値が高いレンズ=悪いレンズではありません。使用用途にあうならば軽量コンパクトのほうがいいケースもあります。
ボケ&写りの良さ重視ならF値の低い大口径レンズを。軽くてコンパクトな便利レンズなら高めのF値を。
それぞれご自身の使用目的に合わせてレンズのF値を選びましょう。
F値を変えるとどうなるか
F値を調節すると明るさが変わることはご理解いただけたかと思います。
次はF値を変えることで写真の写りがどう変わるかを解説していきます。
F値を低くすると?
F値を低く設定すると、背景ボケが大きくなります。
特に絞り開放で撮影した時が1番ボケが大きくなります。
作例はこんな感じ。
開放で撮影すると作例のようにボケが大きくなります。
そのほかの比較作例はこちら。
(左)XF16mm F1.4 R WR / SS 1/250 / F1.4 / ISO800
(右)XF16mm F1.4 R WR / SS 1/30 / F4 / ISO800
右より左の作例な方がボケが大きいです。F値が低ければ低いほどボケの量が大きくなります。
F値が低いとこの大きなボケが得られることが大きなメリットです。
レンズの一番明るいF値で撮影することを絞り開放(または開放F値)といいます。
F値を高くすると?
F値を高く設定すると背景がボケなくなり、写真全体にピントが合うようになります。
作例はこんな感じ。
景色の写真なら、だいたいF8くらいまで絞ると全体にピントの合った写真が撮れます。
またF値が高い方が、写真の解像感が高くなります。絞り開放と比べると、絞り込んだ写真の方が線がキリッとして写ります。
風景などの、全体にピントを合わせたい時に絞り込んで撮影します。
解像感とは、写真の細かい描写力のこと。キリッとした写真ほど解像感が高いと評価される。
【応用編】F値の使い分け、目安について
こちらではF値の応用編として、F値調節の目安を解説していきます。
低いF値(絞り解放)がおすすめなシーン
絞り解放での撮影におすすめなシーンはこちら。
- 子供や人、ものを印象的に撮影したい時
- 撮るものを柔らかくふんわりと撮りたい時
- 夜や室内などの暗いシーン
F値を低くすると背景がボケて印象的な写真になります。また、絞り開放は柔らかい写りになる傾向にあるので、子供などの可愛らしい被写体を撮影する場合は開放がおすすめです。
また、夜や室内などの暗いシーンはF値を開いて明るく撮影することがおすすめです。
ただし、開放で背景をぼかしてばかりだと同じような写真が多くなってしまうので、F値を絞った写真を練習しておくことをオススメします。
高いF値(絞る)がおすすめなシーン
F値を高くする場合におすすめなシーンがこちら。
- 写真全体にピントを合わせたい時
- 風景や景色などを撮影する時
- キリッとした雰囲気で撮影したい時
例えば旅行先で景色の写真を誰かに見せたい時、背景がボケているとどこにいるのかわかりません。
全体にピントを合わせることで、いつ、どこで、誰が、といった多くの情報を入れた写真が撮れます。
例えば筆者の場合は旅をテーマにした記事を書いているのですが、ご覧いただく読者様にどこに行ったか、どんな場所かを伝えたいのでF値の高い絞った写真が多いです。
旅先で写真を撮る場合や風景で使用する方は絞った写真を意識しましょう。
F値で考えるレンズの買い方
F値のことで一番悩ましいのはレンズを購入する時です。
F値でレンズを迷うなら、何を撮りたいかと予算のバランスで買うレンズを選びましょう。
例えば、子供を印象的に撮りたい場合なら、F1.4以下の背景をぼかしやすいレンズがおすすめ。
予算は低めで、便利さと軽さを重視するのならF2~F4くらいで軽いレンズがおすすめになります。
なにを撮りたいかとご予算でレンズを選びましょう。
まとめ
今回はF値についての基本から応用までをまとめてみました。
振り返るとこんな感じ。
- F値はカメラの明るさを変える3つの要素のうちのひとつ
- F値はレンズの明るさのことで低いと明るく、高いと暗くなる
- F値が低いと背景がボケて、高いとピントが全体に合うようになる
カメラの露出は始めのうちはややこしく感じるので、覚えるまでには慣れが必要です。
筆者もカメラを始めたての頃はそうでした。F値がどういうものか分からなかったけど、とにかくマニュアル設定で触っていくうちに慣れていきました。
当時を振り返ると、F値のことを学ぶなら実践で覚えるのが一番です。とにかくF値だけを意識して撮影してみましょう。
撮る→確認する→特徴をつかむ→また撮る
写真の上達はとにかく撮ること。撮って見て覚えてまた撮ることを繰り返していくうちにカメラは上達していきます。
今回の記事で、F値のことが基礎から応用まで学べたのなら幸いです。ぜひトライアンドエラーでカメラライフを楽しみましょう。
また、この記事を見て分かりずらいところがあれば、筆者のX(ツイッター)もしくはインスタへ気軽にメッセージをください。
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筆者も昔は何が必要かよくわかっていませんでした。
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