- フジノンレンズはどんなレンズ?
- どんな歴史があるの?
- 富士フイルムのウンチクが知りたい!
こんなこと疑問をお持ちのあなたへ。
こちらの記事は、富士フイルムのXFレンズがなぜいいのかという疑問を解決すべく、歴史や特徴をもとにガッツリとまとめたブログの内容となっております。
レンズの記号や意味、描写性能へのこだわりを開発者インタビューの情報を交えてまとめております。
富士フイルムのカメラシステムが気になっている方やフジノンレンズの魅力を知りたい方におすすめな記事です。
富士フイルムレンズの秘密について記事を書きました🎞️
— そーいち (@tabikura_dialog) February 15, 2024
『富士フイルムのレンズってこんなにも凄いんやで‼️』
っていう話で、開発者インタビューや書籍の内容をガッツリまとめました。
フジノンレンズへの愛が詰まった記事になっているので、ぜひご覧下さい😘https://t.co/nQBFFXOGSL
そーいち
- FUJIFILMのカメラを愛用&大好き
- 関西の観光地での写真を撮ることが趣味
- カメラの気になる疑問を解決するブログをやってます
フジノンレンズの圧倒的な強み
まずはフジノンレンズの他社メーカーにはない強みをご紹介。
富士の強みは総合レンズメーカーであること
富士フイルムは総合レンズメーカーなので、レンズ作りのノウハウに圧倒的な強みがあります。
富士フイルムはデジタルカメラ用のレンズ以外にも一般消費者がなかなか目にすることのない、いろんなレンズを開発しております。
デジカメだけじゃないフジノンレンズの種類
- 放送用レンズ
- CM用レンズ
- スマホ用レンズ
- 衛生用レンズ
- 経鼻内視鏡の超小型レンズ
デジカメ以外にもこんなにもたくさんのレンズを作っています。
Premistaシリーズ(プレミスタ)
写真のような業務用のシネレンズから医療用の超小型レンズまで、さまざまなレンズを作ってきたノウハウと歴史があります。
幅広い製品群と光学設計を維持する土壌があるからこそ、ユーザーに満足をいただける製品を提供できるのがフジノンレンズの特徴です。
レンズ製造についてはたくさんのノウハウがあるので、シリーズを超えて技術を共有できることはフジノンレンズの特徴の一つですね。
1940年から続くレンズの歴史
富士フイルムのレンズ作りの歴史は約60年以上続いています。
レンズ作りにはレンズ開発のソフトが必要です。
普通だと、ソフトの開発メーカーのものを使うのですが、富士フイルムは独自でソフトを開発するほどレンズの光学設計に力を注いでいます。
こうすることで光学設計者のニーズに素早く対応できるため、より高品質なレンズ作りを可能にしてくれます。
レンズ設計の哲学は光学ファースト
富士フイルムのレンズ設計哲学は『光学ファースト』です。
何においても光学を優先させて高い描写力を実現しています。
付属のキットレンズであっても、光学に妥協することなく作るので、お値打ちレンズでも画質のレベルは非常に高いのが特徴。
初めてカメラを買ったお客様に
「こんなに綺麗に撮れるの!?」
と感動してもらうために、たとえ安価なレンズであっても光学優先でレンズが作られます。
富士フイルムのレンズは、値段にかかわらず綺麗な写りをするのね!
XFレンズとは?
今回は富士フイルムXFシリーズ(APS-Cセンサーのシリーズ)をメインにご紹介。
全ての性能を高いレベルで実現
XFレンズ全体の特徴は、全ての性能を高次元で実現していることです。
- 画質
- AF
- OIS
レンズの機能面では、特に上記3つのポイントを高い性能レベルで実現しています。
XFレンズの性能については、レンズレビュー記事に詳しい内容を載せていますので、こちらもあわせてご覧ください。
操作感にもこだわる
Xシリーズのレンズは、ビルドクオリティにも相当なこだわりを持ってデザインされています。
ズームリングの程よいトルク感や、絞りリングの重さ、心地よいクリック感になるようにこだわったレンズに仕上がっています。
数値化できない部分ではありますが、カメラを持つ喜びを感じられるようなビルドクオリティもフジノンレンズの特徴の一つです。
ビルドクオリティとは?
ビルドクオリティとは質の高さのこと。レンズの操作感やクオリティを指して「ビルドクオリティが高い」と表現される。
富士フイルムは安価なレンズでも高級なレンズでも、非常に心地の良い操作感です。
安いレンズだから安い作りというわけではないのがXシリーズのいいところ。
APS-Cセンサーでもレンズの描写力でフルサイズに匹敵する写り
富士フイルムのXシリーズはAPS-Cセンサーです。
その理由は小さなセンサーでも、レンズのクオリティが高ければフルサイズの画質に匹敵すると考えたからです。
富士フイルムは35mmフィルムを作ってきたメーカーなので、フルサイズの良さはよくわかっています。
それでもあえてフルサイズではなくAPS-Cセンサーを選んだのは、レンズメーカーとしての自信があったからこそ。
実際にフジノンレンズは他社のフルサイズカメラを超えられるのか、という記事も書いていますのでこちらも併せてご覧ください。
フジノンレンズの解説
続いては、Xシリーズにおけるフジノンレンズの解説です。
レッドバッチとは?
レッドバッチとは、圧倒的な描写性能を誇る富士フイルムの中でも最高性能のレンズ群のこと。
主な特徴は以下の通り。
レッドバッチの特徴
- 最高レベルの描写性能
- 防塵防滴のタフネス設計
- XFレンズの中でもっとも優れたフラッグシップレンズ
上記が大きな特徴です。
開発者インタビューを抜粋するならば
『開発陣が命懸けで最高のレンズを作ってやろうと開発したのがレッドバッチ』
なのです。
元々は大三元のみレッドバッチをつける予定だったが、100-400mmは性能が最高峰に仕上がったのでフラッグシップレンズとしてレッドバッチがついたんだとか。
レッドバッチのついたレンズは以下の4本。気になる方は覗いてみてください。
単焦点にレッドバッチがない理由
なぜ単焦点はレッドバッチがないのー??
そんなお声もあるかと思うので、その理由を解説いたします。
開発者インタビューによると、単焦点レンズはそれぞれキャラが違うのでシリーズとして統一していないそうです。
単焦点の中でも色々と分かれていまして、フジノンレンズの単焦点はざっくりこんな感じ。
- 解像力よりもボケを重視したレンズ
- 例) XF50mmf1.0 R WR
- 10年先を見据えて高解像度に振り切ったレンズ
- 例) XF18mm F1.4R LM WR,XF33mmF1.4 R LM WRなど
- コンパクトプライムレンズ
- XF8mmF3.5R WR,XF23mmF2R WRなど
こんな感じで単焦点はそれぞれのレンズでキャラが異なります。
そのため、最高性能だとしてもレッドバッチをつけずに、それぞれのキャラを活かしたレンズラインナップにしているとのことでした。
フジノンレンズの型番の意味
フジノンレンズの型番の意味をご紹介。
- R=絞りリング
- LM=リニアモーター
- OIS=レンズ内手ブレ補正
- WR=防塵防滴、低温での性能を保証
それぞれの意味を解説します。
R=絞りリング
Rは絞りリングのことです。
レンズ側で絞り値を変更できるリングがついていることを指します。
最近の富士フイルムレンズにはほとんどついています。
LM=リニアモーター
LMはリニアモーターのことです。
リニアはギアがないので、フォーカスのスピードが早くて精度が高いのが特徴。
ただ早いだけでなく、合わせたいピント位置に正確に止まってくれます。
リニアモーターがついているレンズは多くなく、レンズによってまちまちです。
XF56mmF1.2R WRは2022年発売と、比較的最近のレンズにも関わらずリニアモーターはついていません。
フォーカス群のレンズが重いとピント精度が落ちてしまうので、そういった場合はあえて、他のフォーカス駆動を使用する場合があります。
筆者はXF33mm F1.4 R LM WRを持っていますが、このレンズのフォーカス音は全く気にならない程度で、AFも爆速です。
OIS=レンズ内手ブレ補正
OISはレンズ内手ブレ補正のことです。
手ブレ補正の段数はレンズによって変わりますが、これがあるとカメラの手ぶれ補正とあわせて1/20秒くらいのシャッタースピードでもブレずに写真が撮れちゃうくらいです。
WR=防塵防滴
WRは防塵防滴のことです。
最近のフジノンレンズのほとんどに防塵防滴がついています。
フジノンレンズのコーティング技術
こちらではフジノンレンズのコーティング技術をご紹介。
レンズコーティングの技術
富士フイルムのレンズはコーティング技術に並々ならぬこだわりを持っています。
通常、光はレンズ1枚あたりで92%しか光を通しません。
残りの8%は反射して光が失われます。
レンズは何枚も使われるので、例えば8枚のレンズを使うだけでも約49%は光が失われます。
この反射により失われる光をいかに減らすかがレンズコーティングなのです。
フジノンレンズは独自のコーティング技術により、透過率の高いレンズ製造を可能にしています。
高画素対応レンズ
高画素対応レンズはレンズ枚数が多くなるので、透過率は下がります。
XF33mm F1.4 R LM WRはレンズが15枚と非常に多く、技術的にも難しいことが伺えます。
しかし、そこはさすがの富士フイルム。
レンズ総合メーカーとして作ってきたレンズ群の中には、放送用レンズで20〜30枚のレンズも作ってきた歴史と技術があります。
総合レンズメーカーとしての強みがXシリーズにも活かされています。
ナノGIコート
富士フイルム独自開発のナノGIコートがすごいんです。
特徴はこんな感じ。
・非常に低い屈折率=抜けの良い写り
これを作れるメーカーは非常に少ないので貴重な技術ともいえます。
欠点はこんな感じ。
・布などで拭くと剥がれやすい
・値段が高い
これらの欠点を解消するために、主にゴーストを減らす効果の高いところにだけ使われています。
このナノGIコートを使用している主なレンズは以下の通り。
筆者はXF16mmF1.4 R WRを所有していますが、確かにこのレンズだけ描写の雰囲気が違うように感じます。
気になる方はナノGIコートを使用したXF16mmF1.4 R WRの作例付きレビューもご覧ください。
フッ素コーティング
フッ素コーティングの特徴はレンズの取り扱いがしやすくなることです。
主な特徴は以下の通り。
- 撥水性が良くなる
- 油を弾くので、汚れがつきにくく、ついても取れやすい
特に油を弾く性能は、レンズに油性マジックで書いてもマジックが浮き出てくるくらいの性能です。
レンズ自体が高性能であるとともに、取り扱いのしやすいこともフジノンレンズを選ぶ大きなメリットです。
他社のレンズを使用したこともありますが、うっかりついてしまった皮脂汚れは、フジノンレンズが一番取れやすかったです。
まとめ
今回は富士フイルムレンズの写りがいい理由についてガッツリまとめてみました。
おさらいすると主な理由はこんな感じ。
- 総合レンズメーカーとして、他社にはないレンズ作りのノウハウと歴史がある
- 『光学ファースト』という哲学のもと、高い描写力を実現
- 数値化できない部分にまでこだわったレンズ開発
当然、他のレンズメーカーも並々ならぬこだわりを持っているので、その差はわずかだと思います。
その僅かな差は優劣ではなく、メーカーが積み上げてきた歴史と哲学が写真の写りとして現れるものだと筆者は思います。
その歴史の過程に富士フイルムの良さがあるからこそ、他社にはない個性があるのではないでしょうか?
この記事を最後までご覧いただいたあなたのために、他の富士フイルムについてのおすすめ記事をいくつか置いておきますので、ぜひこちらもご覧ください。
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