フィルムシミュレーションのリアラエースはどんな特徴があるのかな?
こんな疑問にお答えします。
FUJIFILMのフィルムシミュレーションである『リアラエース』について詳しく解説いたします。
この記事を読むことでこんな事が分かります。
- リアラエースの色味の特長
- どんなシーンにふさわしいフィルムシミュレーションか
- スタンダードとの違い
フィルムシミュレーションは全部で20種類もあるので使い分けが難しいなんてお声も多いです。
なので、色味の違いが分かりやすいように写真作例をたくさんご用意しております。
ぜひ最後までご覧下さいませ。
そーいち
- FUJIFILMのカメラを愛用&大好き
- 関西の観光地での写真を撮ることが趣味
- カメラの気になる疑問を解決するブログをやってます
はじめに
本記事の内容は、富士フイルムの色味について徹底解説してる本「FUJIFILM 画質完全読本」と公式の開発者インタビューなどを徹底的にリサーチした上で記事にまとめています。
個人的な意見を述べている項目を除き、公式の見解に沿った情報となっております。
※こちらの本は2020年に出版された本なので今回ご紹介のリアラエースは載っていません。しかし、FUJIFILMの色へのこだわりやその他フィルムシミュレーションを深く理解できる本なので、ご興味おありの方はぜひ。
フィルムシミュレーションについて
フイルムシミュレーションがすごいのは分かるけど、どういうものかって調べても中々分からないですよね。
私も昔はそうでした。結局どう使い分ければいいか分かりづらい、、、
そんな経験があるので、富士フイルムの色味の特徴とフィルムシミュレーションのことを分かりやすく紹介した記事を作りました。
こちらも合わせてご覧ください。
リアラエースとは?
まずはリアラエースについてサクッとご紹介。
フィルムシミュレーションの図
各フィルムシミュレーションの特長は?
富士フイルムの公式サイトにあるフィルムシミュレーションの相関図です。
- Tonality(トーナリティ)=色調
- 色調とは、明暗、濃淡のこと。コントラスト。
- Saturation(サチュレーション)=彩度
- 彩度とは色の淡さ、濃さのこと。
公式の図は英語なのでちょいとややこしいこもですが、縦軸がコントラスト、横軸が彩度のことです。
リアラエースはプロビアと比べてこんな特徴があります。
- コントラストはプロビアと同じ
- 彩度はやや低め
リアラエースは、フィルム時代に同じ名前を関したフィルムをベースにした色再現です。
フィルム時代の最大の特長は『記録色ベースの色味』であること。
その当時の色再現が引き継がれているのが今回ご紹介のリアラエースなのです。
※公式にはリアラエースの色が記録色という表現はありません。リアラエースの説明にある「目で見たままに近い忠実な色再現」は記録色の定義に非常に近いため当ブログではリアラエース=記録色として表現させていただきます。あらかじめご了承ください。
スタンダードとの比較
お次はFUJIFILMカメラのスタンダードであるプロビアとの色比較です。
早速こちらをご覧下さい。
X-H2S / VOIGTLANDER NOKTON 35mm F1.2
X-H2 / SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
「ん?何か違うのか?」
そう思われた方も多いかと思います。
しかし、よく見てみてください。
特にグリーンとブルーの色味に大きな差があります。
この差はプロビアが記憶色系、リアラエースが記録色っぽい色味になっていることが理由です。
ちなみに、記憶色と記録色の違いはこんな感じ。
- 記憶色
- 目で見た色味を、頭の中で思い起こした色味
- 記録色
- 目で見たままの色味
記憶色は、目で見たものを思い起こした時の色味。
記憶の中の色なので、目で見た色とは違って鮮やかでヌケのいい色再現が求められます。
対して記録色は目で見た通りの色味のこと。
元々FUJIFILMは記憶色ベースの色が多いので、記録色っぽい色味は何気に初めての登場なのです。
この辺りの内容はリアラエースの速報画質比較の記事で詳しく書いてますのでこちらもぜひ。
リアラエースの写りの特徴
コチラではリアラエースの写りの特徴について解説してまいります。
記録色ベースの色味
リアラエースの色再現は、記録色ベースの色味なので癖のない色味を楽しめます。
目で見たままの色味を再現しているので、誇張のないリアルな色再現となります。
フィルムシミュレーションの中には記録色のような色再現がなかったので、FUJIFILMのカメラで癖のない色で撮りたい方におすすめです。
彩度が低めなあっさりとした色再現
リアラエースは彩度が低めなあっさりとした色再現が特長です。
スタンダードのベルビアは記憶色ベースなので、スタンダードの割には彩度が高い傾向にあります。
対してリアラエースはさっぱりとした彩度。
なので、よりフラットな色味をお求めの方にはリアラエースがおすすめです。
常用使いしやすいオールマイティさ
リアラエースは癖の少ないフィルムシミュレーションなので、どんなシーンでも万能に撮影できるオールマイティな色味です。
記憶色と記録色、どちらが好きかは最終的にはお好みです。
しかし、どちらかというとあっさりとした色が好きならばリアラエースは良い選択肢になります。
また、癖の少ない色味なのでRAW現像で好みの色にしたい時に使いやすいのもメリットの一つ。
でどんなシーンにでも撮りやすい色味なので、ぜひ常用使いを試してみて下さい。
リアラエースの撮って出し作例
こちらではリアラエースを使用した撮って出しの作例写真のご紹介をいたします。(水平垂直と、白飛び&黒つぶれの補正を行っております。あらかじめご了承下さい)
リアラエースは緑色の発色が独特です。
全体的に黄緑色に寄せた色味なので、あっさりとした落ち着いた印象が特徴的です。
プロビアやアスティアは青緑系色味でイキイキとした印象になるので、雰囲気が大きく異なります。
ブルーの発色も独特です。
記憶色系はパープル系になっていたのに対して、シアンによったブルーが特徴です。
青色は爽やかなイメージの発色ですね。
海の青色も印象的です。
目で見た青色に近いので、落ち着きのある仕上がりです。
ここにノイズを足したりすると、フィルムライクな雰囲気になって面白い絵作りになります。
リアラエースは彩度がやや低めなので、暑い夏を爽やかに感じさせる力のあるフィルムシミュレーションです。
暑い道路に打ち水をしたような、夏だけどスカッとした爽やかさを作り出すのにおすすめです。
メリハリのある立体感が特徴とされるリアラエースは、シャドウが多い場面で大活躍です。
室内の写真はコントラストが低くてパキッとしずらいですが、リアラエースのメリハリある立体感のおかげでレタッチをしたような良い雰囲気を撮って出しで味わえます。
妻に頼まれた物撮り集です。
室内で撮影したのですが、かなりシャキッとした写りをしてくれます。
リアラエースは光が少ない状況でも、メリハリのある写真に仕上げてくれます。
最後は夕方の大阪の街の写真です。
なんだか懐かしさを感じる雰囲気です。
リアラエースの発色はどの写真も懐かしさがあるように思えてなりません。
心の奥からジーンとする感覚になるような、あの頃感を楽しめるのがリアラエースの面白いところ。
長いフィルムシミュレーションの歴史の中でも、新たな発見のあるリアラエースをぜひお試しあれ。
リアラエースまとめ
今回はFUJIFILMのフィルムシミュレーション『リアラエース』について徹底解説をしてまいりました。
リアラエースをまとめるとこんな感じ。
- 記録色ベースの色味
- 低めな彩度であっさりとしたイメージ
- 常用使いしやすいオールマイティさ
スタンダードのプロビアに近い色再現なので、違いが分かりづらいという方もおられたかも知れませんが、記録色ベースの色味がリアラエースの最大の特徴です。
目で見たままのあっさりとした色表現なので、今までのFUJIFILMにはない、全く新しい色味です。
FUJIFILMにはフィルム時代から色について研究してきた長い歴史とノウハウがあるので、記録色の色再現も一味違う綺麗な色味になっています。
常用使いに相応しいフィルムシミュレーション、リアラエースのご紹介でした。
FUJIFILMユーザー必見の本
この記事を書くにあたり、もっとも参考にしているのが「FUJIFILM 画質完全読本」です。
富士フイルムの画質に関する哲学や、各フィルムシミュレーションのことがよく分かる内容になっているので、富士フイルムファンには是非とも読んでいただきたい一冊です。
どういうわけか、ネットで富士フイルムの画質について記載された詳しい記事が見つかりません。筆者も公式ページを含めていろんなサイトをリサーチしましたが、もっとも濃い情報が載っていたのはこの本。
富士フイルムファンの人や富士フイルムのカメラが気になるって人はぜひ手に取ってみてください。
本の方にも富士フイルムの公式チャンネル「FUJIFILM X channel」も参考にしております。
ネット記事や本には載っていない開発者の生の声が聞けるチャンネルなのでぜひ時間のある時に見てみてください。(かなりマニアックな話が多いですが笑)
FUJIFILMに関するほかの記事
当ブログでは、今回のようにFUJIFILMのカメラに関する記事がたくさんございます。
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