カメラの設定にあるISO感度ってなんだろな〜?
こんな疑問にお答えいたします。
今回の記事では、ISO感度とはなんなのか?という疑問にお答えすべく、特徴や使い方を作例とともにご紹介いたします。
ISO感度とは写真の明るさを決める要素の一つ。そんなISO感度のことを簡単に分かりやすく説明した内容となっております。
また、ISO感度を上げることで写真にどんな影響が出るか、ノイズがどの程度出るのかを作例写真付きでガッツリとご紹介いたします。
あなた様のカメラライフの手助けになれば幸いです。
- 写真をマニュアルで撮影してみたい人
- ISO感度のことを詳しく学びたい人
- ISO感度の特徴と写りの変化を写真作例でみたい人
そーいち
- FUJIFILMのカメラを愛用&大好き
- 関西の観光地での写真を撮ることが趣味
- カメラの気になる疑問を解決するブログをやってます
カメラの露出について
ISO感度は写真の明るさを調節する要素ですが、ISO感度の他にも明るさ(露出)を決める要素があります。
カメラの明るさを決める要素がこちら。
- F値(絞り値)
- レンズに光を取り入れる量のこと
- シャッタースピード
- カメラのセンサーに光を当てる時間のこと
- ISO感度
- カメラに入った光を増幅させること
スマホや一眼カメラの写真の明るさはF値とシャッタースピード、ISO感度の3つで決まります。
ざっくり分けるとこんな感じ。
- F値=レンズの明るさ
- シャッタースピード=光を取り入れる時間のこと
- ISO感度=カメラに入った光を増幅させること
写真が暗いなと思った時はこの3つのどれかの数字を上げれば明るくなります。また、オートで明るさを合わせる場合はこれらの数値をカメラが自動で調節してくれます。
この3つの露出の特徴を知ることで、自分で明るさをコントロールできるようになり、さらに写真のクオリティは格段に上がります。
今回はセンサーに届いた光を増幅させるISO感度について、分かりやすく解説していきます。
露出についての関連記事
シャッタースピード以外にも ISO感度とF値についても分かりやすくまとめた記事を作っていますので、こちらもあわせてご覧ください。
ISO感度とは?
まずはISO感度のことを簡単に分かりやすく解説していきます。
ISO感度とは?
ISO感度の読み方は『イソ』『アイエスオー』と2つの呼び方がありますが、短い『イソ』が主流です。
このISO感度とは、カメラのセンサーに届いた光をカメラ内でどのくらい増幅させるかという指標のことです。
ひかりをぞうふく・・・?
ハイ、言葉はややこしいですが、例えるなら人の目と同じです。
何も見えない暗闇でも、だんだんと目が慣れて見えるような感覚に近いです。
(目も暗い場所では光を増幅して明るく見えるようにしているようです)
数字を変えることで明るさを変えられることが最大の特徴です。ISO感度を下げると暗くなり、上がると明るくなります。
ISO感度を変えると明るさが変わる理由
ISO感度を変えると明るさが変わる理由はカメラ内部の性能にあります。
F値はレンズを通る光の量で、シャッタースピードは光を取り入れる時間のことを指します。
この2つの要素で決められた光の量をカメラのデジタル処理で増やしたり減らしたりすることのできるのがISO感度です。
ISO感度を変えると明るさが変わります
ISO感度を変えると明るさが変わります。こちらではその作例をご紹介。
こちらの写真は適正露出時の設定で撮影しました。
お次はISO感度を一段あげた場合の写真です。
ISOが400から800になりました。
明るさが上がるので、写真のように全体が明るめになります。
お次は適正露出から一段下げた写真です。
元のISO400からISO200に下げました。
このように、写真の明るさをコントロールする特性を持つのがISO感度です。
ISO感度を上げればどんな暗い場所でも写真が撮れそうだね!
そう思えてしまいますが、実はISO感度を上げると明るくなることを引き換えにいくつかのデメリットが生じます。
そのことについて次の項目でご紹介いたします。
ISO感度の豆知識
ISO感度は一見万能のように見えますが、カメラやセンサーサイズによって性能が全く異なります。
ISOを上げると明るくなるがノイズが増える
まず、前提としてISO感度を上げるとノイズが増えます。
極端にISO感度を上げてノイズを出した作例をご紹介。
写真のISO感度はメーカー推奨の域を超えた、拡張ISO感度で撮影した作例写真です。
この写真は、ノイズと呼ばれる点々が多く出ています。ここまでISOを上げると極端なノイズ量になりますが、基本的にISOを上げるごとにノイズは増えます。
また、作例を見ても分かるようにISO感度を上げすぎると、目に見えて画質が低下します。
ISO感度は光の量を増幅できて万能そうに見えますが、その分ノイズが発生するという側面もあります。
カメラによって感度の性能が違う理由
カメラによって感度の性能が違います。
その理由は、カメラ本体の処理性能の差にあります。
ISO感度に影響する要素を並べてみました。
- センサーサイズ
- センサーの大きさによって光を受けることのできる面積が変わる
- 画像処理能力
- 昔のカメラは今と比べてノイズが多い
- 画素数
- 画素数が増えると、一画素あたりの光を受ける面積が減る
特に、古いカメラとの性能差は大きく現れます。
現在のカメラだとISO感度1,600はそこまで気になりませんが、10年以上前のカメラだとISO1,600はノイズだらけで使えないレベルだったりします。
これは、現代のカメラの方が画像処理エンジンの性能が向上しているので、最新カメラの方がノイズを少なく抑えられる傾向にあります。
また、センサーサイズが大きいものになると、一画素あたりに得られる光が増えるので高感度でもノイズの少ない綺麗な画質を保つことができます。
ISO感度のノイズ耐性は一般的に『センサーサイズ』『画像処理能力』『画素数』によって変わります。
作例で見るISO感度の比較
ISO感度の特徴をご覧いただいたので、お次はISO感度を変更することで写真がどのように変化するかについてご紹介いたします。
(今回の検証に使用したカメラはAPS-Cセンサーを搭載したFUJIFILMの高画素フラッグシップ機であるX-H2を使用しております。)
ISOを低く設定した作例
ISOを低く設定した場合の作例です。
ISO200で撮影した写真です。
当然ですが、低いISO感度なので画質の劣化は全くありません。
お次に5倍拡大してみました。
写真全体が綺麗な画質で仕上がっています。
ISO感度が低いと、カメラ本来の綺麗な画質性能で写真が仕上がります。
ISOを高く設定した作例
お次は同じ明るさで高感度を比較していきます。
ISO3,200
まずはISO3,200での作例です。
左:ISO200 / 右:ISO3,200
5倍拡大比較 / 左:ISO200 / 右:ISO3,200
ISO200の作例写真と比較してみました。
比較すると画質に若干の変化が感じられるものの、ノートパソコンくらいの画面サイズではほとんど違いが分からない程度でした。
5倍拡大するとさすがにややノイズが見えますが、気にならない程度です。
ISO6,400
お次の比較は一段ISO感度をあげてISO6,400との比較です。
左:ISO200 / 右:ISO6,400
5倍拡大比較 / 左:ISO200 / 右:ISO6,400
ISO6,400になると等倍の写真でもよく見ればノイズを感じられるほどになりました。
また、5倍拡大の比較についてはISO200と比べると目に見えてノイズが出現するようになりました。
ISO12,800
お次はX-H2の最大常用ISO感度であるISO12,800で比較してみました。
左:ISO200 / 右:ISO12,800
5倍拡大比較 / 左:ISO200 / 右:ISO12,800
非常に高いISO感度なのでノイズはよく見えるようになりました。特に5倍拡大で比較すると、ノイズの粒がはっきりと見えます。
とはいえど、等倍ならばISO12,800でもスマホの画面ならそんなに気にならない程度です。
もちろん目の肥えた写真好きがくまなくチェックすると違いは分かるかもしれません。しかし、一般の人ならばほとんどの場合は分からない程度のようにも感じます。
なので、インスタなどのSNSでの使用でしたら高感度ノイズはそんなにシビアにならなくてもいいかもしれません。
拡張ISO感度に設定した場合の作例
ISO感度には『拡張ISO感度』というものがあります。
これは、画質劣化を最小限に抑えられるISO感度を超えたISO感度のことをいいます。
ようは、めっちゃ明るくできるけども画質は勘弁してねっていう設定になります。
拡張ISO感度で撮影した作例がこちら。
左:ISO200 / 右:ISO51,200
はい、ガッツリノイズが出ました笑
これを常用ISO感度の最高値と比較してみるとこんな感じです。
5倍拡大比較 / 左:ISO12,800 / 右:ISO51,200
露出はわずか2/3しか変わりませんが、盛大にノイズが出るようになりました。
常用作例に使用している常用ISO感度はISO125〜12800となりますが、この数字はカメラによって異なります。
例えば、低画素機になるとノイズが減るので、ISO5120でも常用の場合があります。拡張ISO感度に設定すると、ノイズが盛大に出てしまいますのでご注意下さい。
実際の写真作例でノイズを解説
こちらでは、高感度で撮影した際に発生するノイズについての作例をご紹介。
お次の写真はISO8,000で撮影した写真です。
ご覧いただいているモニターのサイズでノイズの見え方は若干異なるかもしれませんが、この写真はノイズが気になりますでしょうか?
筆者の主観では、ノートパソコンくらいでしたら全く気にならない程度で、スマホの画面だと全く分からないレベルです。
お次は5倍拡大の作例です。
流石に5倍まで拡大するとノイズ感が分かるようになりました。
ここでお伝えしたいことは、高感度におけるノイズの大きさはスマホやノートパソコンではほとんど分からないという点です。
細かな点で比較するとISO感度が低い方が画質は良いですが、きっちりと比較しない限りは違いは分かりません。
しかし、大きく伸ばして印刷するとなると話は変わります。
印刷する場合はノイズが目に見えてしまう可能性が高いので、撮影時にそこまで考える必要があります。
使用用途によりますが、デジタル環境であれば高感度ノイズはほとんど気にする必要はないのかもしれません。
【応用】ISO感度の使い分けと目安について
ISO感度の基本的なことが分かったところで、ISO感度をどのように設定するのがいいかの目安をご紹介いたします。
ISO感度は基本低く設定しましょう
ISO感度は写真を最高画質で楽しみたいのなら1番低い数字に設定しましょう。
その理由は、ISO感度を上げると画質が劣化しやすいからです。
作例でもご覧いただいた通り、ISO感度は低いほうが写りが鮮明になります。
ただし、屋外でシャッタースピードが低くて手ブレをしてしまうようであれば、徐々にISO感度を上げていく方がいいです。
設定の優先順位としてはこんな感じ。
マニュアル撮影時のオススメ設定順序
- 写真をぼかしたいか、ピントを全体的に合わせるかでF値を決定
- 手ブレをしないシャッタースピード
- ISO感度で明るさを補正
- ISO感度が高くなるようならF値かシャッタースピードで明るくする
こんな感じで、綺麗な画質を保つのならISO感度は低めにしましょう。
「さっきノイズは気にならないってゆったやんか!」ってご意見もあるかもですが、それはあくまで見る側の話です。
ご覧いただいている読者の方が、ガッツリRAW現像をしたいのであれば元のデータが綺麗なことに越したことはありません。
筆者は撮って出し推奨ユーザーなので高感度でもあまり気にしません。
しかし、データのレタッチなどでより綺麗な画質の写真を目指すのであればISO感度は低めに設定しましょう。
夕方や夜、室内はISOを上げましょう
撮影時が夕方や夜、室内などの暗い場所であればISO感度を上げましょう。
その理由は、暗い場所でISO感度を上げないとシャッタースピードが遅くなってしまうので手ブレが起こる可能性が増えるからです。
シャッタースピードを下げすぎて写真がぶれてしまっては、失敗感が否めない仕上がりになります。
そうなるくらいなら多少ノイズが出てもブレないシャッタースピードの方を優先する方がいいでしょう。
レンズにもよりますが、筆者は1/焦点距離くらいのシャッタースピードでも適正露出を保てるくらいのISO感度に設定しています。
暗い場所での撮影は、手ブレをしないシャッタースピードにしてからISO感度を上げて明るくしましょう。
【まとめ】ISO感度の設定は難しくない
今回の記事では、ISO感度の基本から応用までをご紹介してきました。
色々と説明してきましたが、ISO感度の設定はそんなに難しくありません。
その理由は単純で、暗ければISO感度を上げて明るくすればいいだけだからです。
『シャッタースピード』『F値』『ISO感度』を全てコントロールできるようになるには、いろんな設定パターンを経験するしかありません。
筆者は丸4年マニュアル撮影をしていますが、ざっくりとした設定のコツはこんな感じ。
- F値を決める
- ぼかしたいか、全体的にピントを合わせたいかで判断
- シャッタースピードを手ブレしない数値に設定
- 外なら1/500前後、室内なら1/125前後、動くものなら1/1000以上に設定
- ISO感度で適正露出に設定
- ISOが1600以上になるようであれば、ほかの値でも明るくする
まずは何をどう撮りたいか(F値)。その次にちゃんと撮影できるシャッタースピードを選び、最後にISO感度で明るさを微調整するイメージです。
そうすることで、ほとんどの場合は意図した通りに写真が撮れるようになりますので参考にしてみてください。
ISO感度を使いこなす最大のコツは、とにかくマニュアルで撮影してみること。
トライアンドエラーの積み重ねこそがマニュアル撮影上達の最短距離です。←ここ重要
ぜひ様々なパターンで経験値を詰んで素晴らしい写真が撮れるようになることをお祈りしております。
ご覧いただきありがとうございました。
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