FUJIFILMにはなぜフルサイズのカメラがないのー??
こんな疑問にお答えいたします。
こちらの記事では、FUJIFILMがフルサイズのカメラを作らない本当の理由について解説していきます。
こちらの記事ではこんな内容について書いています。
- なぜフルサイズではなくAPS-Cのカメラしか作らないのか
- FUJIFILMのカメラを選ぶメリット
- APS-Cの画質はフルサイズ並みに綺麗なのか
FUJIFILMがAPS-Cにこだわるワケをご紹介するとともに、FUJIFILMのカメラにはどんなこだわりがあるかを詳しくご紹介いたします。
ここから先はFUJIFILMのことが大好きになってしまうかもなので、お気をつけ下さい
そーいち
- FUJIFILMのカメラを愛用&大好き
- 関西の観光地での写真を撮ることが趣味
- カメラの気になる疑問を解決するブログをやってます
はじめに
本記事の内容は、富士フイルムの色味や画質、特徴について徹底解説してる本「FUJIFILM 画質完全読本」と公式の開発者インタビューなどを徹底的にリサーチした上で記事にまとめています。
個人的な意見を述べている項目を除き、公式の見解に沿った情報となっております。
【結論】フルサイズを作らない理由は『機動力』にある
結論、FUJIFILMがフルサイズのカメラを作らない理由はカメラを使う時の『機動力』にあります。
APS-Cのカメラを選ぶメリットは軽量コンパクトにあります。
FUJIFILMはガチガチに重たいカメラを振り回す人ではなく、軽いカメラを気軽に写真を楽しみたい人に向けてAPS-Cのカメラを作っています。
そのためには、カメラが軽くなくては話にならないのであえてフルサイズは作らないのです。
フィルム時代のフルサイズは『高画質』と『小型軽量』
フィルム時代の35mmフィルム(デジタルのフルサイズセンサー)の利点は『高画質』と『小型軽量』でした。
フィルム時代のカメラはオートフォーカスやデジタル機能がなかったため、35mmフィルムのカメラは『高画質』と『小型軽量』で親しまれていました。
FUJIFILMはフィルムを作ってきたメーカーなので、フルサイズカメラの良さについては良く知っています。
そんな中、フィルム時代のカジュアルさをデジタルで再現するために作られたカメラは、フルサイズではなくて『APS-Cのカメラ』でした。
つまり、フルサイズセンサーで大きなカメラを作るのではなく、フィルム時代に親しまれた『写りのよさ』と『カジュアルさ』を追求したカメラを作るために、あえてフルサイズは作らないのです。
『画質』『機動力』『価格』の最適解がAPS-C
FUJIFILMのカメラはフィルム時代に親しまれたカジュアルな撮影体験を体現したカメラを作るべく、デジタルカメラは『APS-Cセンサー』で作っています。
そんなFUJIFILMのAPS-Cセンサーを選ぶべきメリットはコチラ。
- 画質
- 機動力
- 価格
これら3つの特徴がデジタル時代におけるバランスの最適解。
それぞれの特徴について詳しく解説いたします。
『画質』
APS-Cのセンサーでは画質が劣るのでは?
そんな懸念をよく聞きますが、そこは解決済み。
FUJIFILMには1,940年から80年以上もレンズを作り続けてきた歴史と技術力があります。
なので、センサーが小さくなっても光学性能の歴史おノウハウを詰め込んだ結果、フルサイズに匹敵する画質を作れるようになったのです。
また、FUJIFILMカメラの画質にはこんなこだわりがあります。
- フィルム時代の美しい色味を再現した『フィルムシミュレーション』
- センサーの画質を最大限に活かす高性能なセンサー
正直な話、フルサイズのカメラの方が画質は有利です。
しかし、FUJIFILMはセンサーの最適化とレンズの光学性能の最大化でフルサイズの画質を超える見込みがあったからこそ、APS-Cのカメラで勝負をしているのです。
小型軽量のAPS-Cを活かしつつ、画質や描写力を徹底的に突き詰めたからこそ、FUJIFILMのカメラは高い人気を誇るのです。
これらの画質のこだわりを深く知りたい方はコチラの記事もどうぞ。
『機動力』
カジュアルな撮影には、軽くて気軽に持ち運べる『機動力』が必要です。
フィルム時代の35mmフィルムカメラのような、コンパクトで気軽に撮影できることを突き詰めた結果、APS-Cのカメラに落ち着きました。
フルサイズよりコンパクトだということを、フルサイズメーカーの大口径の標準レンズ比較表でご覧ください。
メーカー | レンズ品番 | 重さ |
---|---|---|
FUJIFILM | XF33mm F1.4 R LM WR | 360g |
SONY | FE 50mm F1.2 GM | 778g |
SONY | FE 50mm F1.4 GM | 516g |
CANON | RF50mm F1.2 L USM | 950g |
NIKON | NIKKOR Z 50mm f/1.2 S | 1090g |
NIKON | NIKKOR Z 50mm f/1.8 S | 415g |
フルサイズ換算50mmの大口径レンズを比較してみました。
APS-C用のレンズなので当然ではありますが、FUJIFILMが圧倒的に軽くなります。
そして、この傾向はほとんどの焦点距離で同じ傾向にあります。
この軽量コンパクトから生まれる機動力はAPS-Cの大きなメリットです。
『価格』
APS-Cセンサーのカメラ、レンズは価格もリーズナブルでカジュアルです。
次の表はフルサイズメーカーのフラッグシップ機との価格比較です。
メーカー | カメラ品番 | 価格(税込) |
---|---|---|
FUJIFILM | X-H2S | 383,900円 |
SONY | α1 | 990,000円 |
CANON | R1 | 1,089,000円 |
NIKON | Z9 | 772,200円 |
各カメラメーカーのフラッグシップカメラを比較してみました。
連写性能に差があるものの、それを差し引いても価格は圧倒的にAPS-Cの方が優位です。
フルサイズのカメラの性能は確かに凄くて、一秒間に120枚の写真を撮れたりするほど高性能です。
しかし、一般ユーザーがここまでの性能は必要でしょうか。
デジタルカメラをカジュアルなシーンで使うのであれば、価格もこなれたFUJIFILMのカメラが良い選択肢になるでしょう。
APS-Cの画質はフルサイズに劣るのでは?
いくらレンズが良くて、センサーが最適化されてもフルサイズの画質には敵わないのでは?
そんなお声もあるかもなので、APS-Cとフルサイズの比較をしてみました。
使用したカメラとレンズはコチラ。
- FUJIFILM(APS-C)
- カメラ-X-H2 (約4,020万画素)
- レンズ-XF33mm F1.4 R LM WR(フルサイズ換算50mm)
- SONY(フルサイズ)
- カメラ-α7IV(約3,300万画素)
- レンズ-50mm F1.2 GM
さて、どちらがフルサイズでどちらがAPS-Cセンサーでしょうか。(ボケ量はほぼ同じに設定しています。露出も同じですが、メーカーによる差で明るさが異なるように見えます)
どちらか分かりましたでしょうか。
さて、正解は・・・
左がAPS-C(FUJIFILM)で右がフルサイズ(SONY)でした。
この違いが分かりましたでしょうか。
少なくとも等倍ではわからないレベルかと思います。
そう、センサー性能と光学性能を向上したFUJIFILMのカメラシステムはフルサイズの画質と大きな差はないのです。
当然ボケ量には差が出てしまいますが、写りのクオリティに大きな差はないのです。(ボケすぎても仕方ないですよね〜)
つまり、APS-Cだからといって目に見えるほどの差はないのです。
そんな写りの差については詳しい記事を書いておりますので、そちらも参考にして下さいませ。
APS-Cに特化したFUJIFILMのカメラを選ぶべき3つの理由
FUJIFILMがフルサイズのカメラを作らない理由が分かったところで、FUJIFILMにしかない圧倒的な独自性について3つご紹介。
そのFUJIFILMのカメラを選ぶべき3つの理由はコチラ。
- フィルム時代の色味を現代に蘇らせた『フィルムシミュレーション』
- APS-Cに特化したレンズ群
- フィルムカメラを彷彿とさせるクラシックなデザイン
FUJIFILMにしかない独自性を詳しく解説してまいります。
フィルム時代の色味を現代に蘇らせた『フィルムシミュレーション』
FUJIFILMには、フィルム時代の色味を現代に蘇らせた色表現『フィルムシミュレーション』が大きな特徴です。
人が心地よく感じる色味を目指してきた約90年の歴史があるFUJIFILMは、世界中で認められた色味をデジタルカメラに再現しました。
フィルム時代から培ってきた色味を表現したのが『フィルムシミュレーション』であり、現在は20種類あります。
今回はその中でも特に人気の高い4種類の色味をご紹介。
Adobeカラーとプロビア(スタンダード)の比較
Adobeの標準カラーとFUJIFILMのスタンダードを比較してみました。
それぞれの色味の特徴はこんな感じ。
- Adobeカラー
- デジタルカラーの標準的な色味
- プロビア(スタンダード)
- フィルム系の記憶色がベース
FUJIFILMのスタンダード系の色味はフィルムの基本的な色味である『記憶色』がベースになっております。
記憶色とは目で見た景色を頭の中で思い起こした時の色のことです。
記憶の中の色味は目で見たままの色とは違い、抜けが良くて鮮やかに思い起こされます。
写真の色味の特徴はコチラ。
- 青色-ややマゼンタに寄った色味で、抜けの良い青色になっている
- 緑色-鮮やかで爽やかな緑色のために青緑系の色味になっている
そのほかの赤色やオレンジ、黄色もそれぞれフィルムライクな色味になるように設計されています。
このような古き良きフィルムの色味をデジタルで再現しているのがFUJIFILMの色味の特徴です。
FUJIFILMのスタンダードの色味のことが気になる方はコチラもあわせてご覧ください。
ノスタルジックネガ
ノスタルジックネガは1,970年代に流行したフィルムの色味『ニューカラー』をベースにしたフィルムシミュレーションです。
モノクロの方が良いとされていた時代に、カラー写真の可能性を見出したとされるフィルムの色味が特長。
「フィルム風」は世の中に沢山ありますが、そのフィルムのことを使っていたFUJIFILMが作り出す色味なので、そのクオリティは折り紙つき。
まさに本物のフィルムをベースに色のプロ集団が再現したカラーシミュレーションなのです。
クラシッククローム
クラシッククロームは、ドキュメンタリーなどで使われるシリアスな場面に適したフィルムシミュレーションです。
コントラストが強くて、重い印象の絵作りが特長。
例えば、社会問題をテーマにした写真などは緊迫感のある色味である方が良いので、そのようなシーンに適しています。
冷たくてクールな雰囲気に仕上がるので、スナップ写真や冬の冷たさを表現するのに適した色味です。
クラシックネガ
フィルムシミュレーションの中でも特に人気のあるのが『クラシックネガ』です。
クラシックネガは、忠実な色再現が必要なプロ用のフィルムとは異なり、アマチュア用の色の偏りがあるフィルムがベースになっています。
近頃はFUJIFILMの『写ルンです』が非常に人気ですが、まさに写ルンですのようなアルバムの中にある思い出の色を再現したフィルムシミュレーションです。
あえて、描写と色が良くない写りが『エモい』と評価されるような、そんなイメージで作られた色再現が特長です。
フィルムシミュレーションは他社にない圧倒的な独自性
FUJIFILMのカメラは『色が良い』と評価されており、それはプロの間でも高い評価を受けています。
その大きな理由の一つが、フィルムシミュレーションのこだわりです。
FUJIFILMには、人が見て心地良くなる色味を追求してきた結果、世界中から認められるフィルムメーカーとなりました。
カメラがデジタルになっても、どんな色が心地よいかは普遍の法則であり、そのノウハウこそがFUJIFILMの圧倒的な強みなのです。
そんな世界中からの認められた色を約20種類も使えるからこそ、FUJIFILMのカメラは選ばれるのです。
APS-Cに特化したレンズ群
FUJIFILMのもう一つの強みは『APS-Cに特化したレンズ群』ということです。
APS-Cに特化するメリットはコチラ。
- 開放F値の低い大口径レンズが豊富
- コンパクトで軽量化される
- 価格もリーズナブルに
中でもレンズラインナップが多いことは他社にはない大きな特長です。
他社のAPS-Cシステムは、フルサイズのサブ的な位置付け。
ゆえに、フルサイズと差別化したレンズばかりで、開放F1.4以下や大三元ズームレンズなどはほとんどありません。
対してFUJIFILMはAPS-Cに特化しているので、軽量コンパクトを守りつつも描写にこだわった大口径レンズを多数ラインナップできるのです。
APS-Cに特化しているからこそ、軽量コンパクトでお値打ちで描写は最高レベルなのです。
フィルムカメラを彷彿とさせるクラシックなデザイン
FUJIFILMのカメラデザインには、フィルムカメラを彷彿とさせるクラシックなデザインに定評があります。
例えばこんなデザイン。
往年のクラシックカメラのようなデジタルカメラがFUJIFILMの中では大変人気です。
また、レンズフードにはこんなこだわりも。
写真のレンズフードをよく見て下さい。
一般的なプラスチックのフードだけでなく、アルミ削り出しの角形フードも販売しております。
また、FUJIFILMのレンズは金属パーツを使ったものも多く、撮影体験をワクワクさせてくれるデザインが施されています。
フィルム時代のカジュアルさを体現したカメラなので、撮影体験においてもクラシックなデザインを楽しめるのがFUJIFILMのカメラの大きな特長の一つです。
【まとめ】カジュアルに写真を楽しむならFUJIFILM一択
カジュアルな撮影体験を選ぶのならFUJIFILMのカメラを選びましょう。
今回の記事の内容をまとめるとこんな感じ。
- フィルム時代のカジュアルな撮影体験のためにあえてフルサイズは作らない
- 『画質』『機動力』『価格』のベストバランスがAPS-Cセンサー
- FUJIFILMにしかない独自性
- 『フィルムの色表現』『APS-C特化のレンズ群』『クラシックデザイン』
「なぜFUJIFILMなフルサイズのカメラを作らないのか?」
この疑問の答えは、フィルム時代の35mmフィルム(デジタルでいうフルサイズ)のカジュアルな撮影体験をデジタルで再現するにはAPS-Cの方が最適だということ。
現代においては、フルサイズカメラの方が主流で高画質とされていますが、FUJIFILMにはセンサーサイズの違いを超えたカメラ本来の撮影体験が楽しめるカメラメーカーなのです。
これこそがFUJIFILMを選ぶべき圧倒的な理由なのです。
ユーザー体験にこだわるために、あえてフルサイズを選ばなかったFUJIFILMのお話でした〜
FUJIFILMのことがよく分かる『画質完全読本』
この記事を書くにあたり、もっとも参考にしているのが「FUJIFILM 画質完全読本」です。
富士フイルムの画質に関する哲学や、各フィルムシミュレーションのことがよく分かる内容になっているので、富士フイルムファンには是非とも読んでいただきたい一冊です。
どういうわけか、ネット上でFUJIFILMの画質について記載された詳しい記事が見つかりません。筆者も公式ページを含めていろんなサイトをリサーチしましたが、もっとも濃い情報が載っていたのはこの本。
FUJIFILMファンの人やFUJIFILMのカメラが気になるって人はぜひ手に取ってみてください。
本の方にも富士フイルムの公式チャンネル「FUJIFILM X channel」も参考にしております。
ネット記事や本には載っていない開発者の生の声が聞けるチャンネルなのでぜひ時間のある時に見てみてください。(かなりマニアックな話が多いですが笑)
FUJIFILMに関するほかの記事
当ブログでは、今回のようにFUJIFILMのカメラに関する記事がたくさんございます。
FUJIFILMのカメラをお得にゲットしたい方は、初回限定でカメラ・レンズが10%OFFになっちゃう方法や、分割手数料を最大60回まで無料にする方法があるのでぜひコチラもご覧ください。
FUJIFILMのことが好きな人や、どんなカメラか気になっている人はぜひほかの記事も見てみてください。
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