- ノスタルジックネガってどんな特徴があるの?
- どんなシーンにふさわしい色味?
- そもそもフィルムシミュレーションとは?
こんな疑問をお持ちのあなたへ。
富士フイルムのフィルムシミュレーションであるノスタルジックネガについて詳しく解説いたします。
この記事を読むことで、ノスタルジックネガの色の考え方や特徴、実際の色味やおすすめシーンまでを詳しく知ることのできる内容となっております。
記事の後半にはノスタルジックネガで撮影した撮って出しの作例写真を多数ご用意しておりますので、ぜひ最後までご覧下さい。
FUJIFILMのフィルムシミュレーション『ノスタルジックネガ』がとにかくいい🎞️
— そーいち (@tabikura_dialog) March 15, 2024
FUJIFILMの画質設計者が『第2のスタンダード』と唱えるほど、万能な色味のノスタルジックネガ📷
1970年代のカラーフィルムが流行った時の色を再現しているので、流行りのフィルム感が簡単に再現できます✨☺️ pic.twitter.com/obZzsNP8Oi
そーいち
- FUJIFILMのカメラを愛用&大好き
- 関西の観光地での写真を撮ることが趣味
- カメラの気になる疑問を解決するブログをやってます
はじめに
本記事の内容は、富士フイルムの色味について徹底解説してる本「FUJIFILM 画質完全読本」と公式の開発者インタビューなどを徹底的にリサーチした上で記事にまとめています。
個人的な意見を述べている項目を除き、公式の見解に沿った情報となっております。
フィルムシミュレーションについて
フイルムシミュレーションがすごいのは分かるけど、どういうものかって調べても中々分からないですよね。
私も昔はそうでした。結局どう使い分ければいいか分かりづらい、、、
そんな経験があるので、富士フイルムの色味の特徴とフィルムシミュレーションのことを分かりやすく紹介した記事を作りました。
こちらも合わせてご覧ください。
ノスタルジックネガとは?
ノスタルジックネガについて詳しくご紹介。
フィルムシミュレーションの図
各フィルムシミュレーションの特長は?
富士フイルムの公式サイトにあるフィルムシミュレーションの相関図です。
- Tonality(トーナリティ)=色調
- 色調とは、明暗、濃淡のこと。コントラスト。
- Saturation(サチュレーション)=彩度
- 彩度とは色の淡さ、濃さのこと。
公式の図は英語なのでちょいとややこしいですが、縦軸がコントラスト、横軸が彩度のことです。
ノスタルジックネガの特徴は以下の通り。
- スタンダードよりコントラストが低い
- 柔らかい、優しい印象の絵作り
- スタンダードより彩度が高い
- 少し色が濃いめ。SNSに映える色の濃さ
コントラストは低めでフィルムのような柔らかい印象があるものの、他のフィルムシミュレーションより彩度が高く、目を惹く色味であることが特徴です。
スタンダードとの比較
参考までに比較画像を置いておきます。
X-H2 + XF10-24mm F4 R OIS WR
こちらでは、レッドとグリーンの色味をご覧いただければと思います。
スタンダードのプロビアよりも彩度が高いので目立つ感じになるかと思いきや、コントラストが低いおかげで落ち着いた印象の写真になります。
レッドもグリーンも少しくすんだ色味になっているので、昔のフィルムのような雰囲気に仕上がります。
X-H2S + XF16mm F1.4 R WR
続いてオレンジとブルーの色味です。
この2色はかなり個性の出ている色味でオレンジはやや黄色っぽくなり、ブルーはシアンに寄った色味になります。
特にブルーの色味は印象的で、この色の変化でかなりフィルムライクな写真になります。
この写真は夕日の時間帯に撮影したのですが、このような夕方や早朝には特に相性がいいフィルムシュミレーションです。
ノスタルジックネガの写りの特徴
こちらではノスタルジックネガの写りに関する特徴を詳しく解説していきます。
第2のスタンダードな色味
ノスタルジックネガはFUJIFILMの開発者が「第2のスタンダード」と唱えるほど普段使いのしやすい色味です。
色味はフィルム調ですが、普段使いのしやすい色味の雰囲気になっております。
優しいトーンに加えて、SNSなどで映えるような少し濃いめの色なので現代的な流行りの色味にも近い写真に仕上がります。
1970年代のカラーフィルムがベース
色の着想は1970年代に流行したニューカラーをベースにした色味です。
ニューカラーとは、当時まだ作品として使用されることが少なかったカラーフィルムを使用した写真の色味の流行現象のことです。
当時はモノクロ写真のほうが優れているとされていた時代に、カラーの可能性を見出した時代の色味のことです。
要するに、カラーフィルムが流行した当時の色味を再現した、フィルム調のスタンダード的な立ち位置のフィルムシミュレーションとなります。
風景からモノの写真まで万能
ノスタルジックネガは風景からモノの写真まで、とにかく万能に撮れるフィルムシミュレーションです。
先ほどご紹介しました「第2のスタンダード」と言われることもあり、どんなシーンにでも適した色味で写真が撮れます。
筆者も実際に撮影していて感じるのですが、風景やモノ、ヒトなど何を撮ってもいい色味が出てくれます。
加えて、ノスタルジックネガはやや彩度が高めです。
なので、携帯やSNSで見た時にパッと目を引く色味に仕上がるので、デジタル全盛の時代においては非常に映えるのがノスタルジックネガの特徴です。
おすすめのカスタム設定
こちらではノスタルジックネガのおすすめカスタム設定をご紹介。
ノイズを出してフィルム感をアップ
ノスタルジックネガは1970年代のフィルムの色をベースに設計されているので、ノイズを足すとフィルム感のある写真に仕上がります。
作例はこんな感じ。
X-H2 + XF10-24mm F4 R OIS WR
写真にも適応しているおすすめ設定はこちら。
グレインエフェクト
- 粒度 : 大
- 強さ : 強
ノイズをガッツリ入れることで、今流行りのフィルム感のある写真が簡単に撮れちゃいます。
写真を柔らかくしてフィルムライクに
まるで昔に撮影したかのようなノスタルジックな雰囲気に仕上げるのなら、設定で写真全体を柔らかくすることをオススメします。
フィルム時代のレンズは現代のレンズほど高性能ではありません。
昔のレンズで撮る方がフワッとした写真になるので、その雰囲気に寄せる設定をご紹介。
ノスタルジックな写真にする設定
- シャープネス : -4
- 明瞭度 : -5
上記のように設定をするとこんな感じに写真がフワッとします。
X-H2 + XF10-24mm F4 R OIS WR
写真のように、ノスタルジックな雰囲気に仕上がるのなら上記の設定を試してみてください。
ノスタルジックネガの撮って出し作例
こちらではノスタルジックネガを使用した撮って出しの作例写真のご紹介をいたします。(水平垂直のみ調節しております。あらかじめご了承下さい)
ノスタルジック感満載の写真です。
ふわっとした光の場所や開放気味の柔らかい場面、古風な建物とは相性がいいです。
全体的にコントラストが低いので、優しい印象の写真に仕上がりますね。
風景や花などの自然モチーフでも、ノスタルジックのらしさが引き立ちます。
環境によっては、写真のようにキリッとした発色になるのもノスタルジックネガのいいところ。
ブルーの色味が多い写真が3枚続きました。
ブルーの色はシアンに寄った発色になるので、ノスタルジック感が強い印象になります。
特に、イルカの銅像の写真は夕日の環境下で撮影しているので、よりエモさが増幅しています。
伊勢旅行の写真です。
伊勢神宮を訪れたのですが、その近辺の繁華街は写真のように非常に古風な街並みでした。
ノスタルジックネガはどんなシーンにでも撮りやすい万能な色味ですが、特に趣のある場所で撮影するとよりらしさが出ます。
ご飯の写真もいい発色です。
フィルムシミュレーションの種類によっては、ご飯の美味しそう感が損なわれる色味もあったりしますが、ノスタルジックネガは問題ありません。
ノスタルジックネガはアンバーの発色が非常にいいです。(アンバーは茶系の色味)
古風な木造建築の建物や土などの色味がある写真は特にノスタルジックネガの良さが出ますね。
陽の沈んだ後の薄暗いシーンの写真です。
暗い色が潰れることなく綺麗な発色をしてくれるので暗いシーンの写真でも雰囲気のある写真に仕上がってくれます。
ノスタルジックネガまとめ
結論、ノスタルジックネガはどんな撮影状況でも対応できる万能なフィルムシミュレーションです。
その理由は、カラーフィルムの良き時代を再現した色味なので、人の心に懐かしさを届けてくれるような雰囲気の写真に仕上がるからです。
筆者もいままでたくさんの写真を撮ってきました。
その中で、「このシーンはこんな色がいいな」と思うことが良くあるのですが、いちいち色味を変えていると統一感が出ないし、なにより色選びに気を取られてしまうとベストショットを流して本末転倒に、、、
ノスタルジックネガに設定しておけば色のことは何も考えずに撮影に集中できるので、第2のスタンダードと呼ばれる理由もよく分かります。
カメラに慣れてくると「人とは違う色味」を試しがちですが、自分でそれを生み出すのにはかなりの苦労が必要。
どんなシーンにも応用できて、色味の統一感がとれるノスタルジックネガは、誰でもおしゃれな写真が楽しめるのでオススメですよ〜というお話でした。
富士フイルムユーザー必見の本
この記事を書くにあたり、もっとも参考にしているのが「FUJIFILM 画質完全読本」です。
富士フイルムの画質に関する哲学や、各フィルムシミュレーションのことがよく分かる内容になっているので、富士フイルムファンには是非とも読んでいただきたい一冊です。
どういうわけか、ネットで富士フイルムの画質について記載された詳しい記事が見つかりません。筆者も公式ページを含めていろんなサイトをリサーチしましたが、もっとも濃い情報が載っていたのはこの本。
富士フイルムファンの人や富士フイルムのカメラが気になるって人はぜひ手に取ってみてください。
本の方にも富士フイルムの公式チャンネル「FUJIFILM X channel」も参考にしております。
ネット記事や本には載っていない開発者の生の声が聞けるチャンネルなのでぜひ時間のある時に見てみてください。(かなりマニアックな話が多いですが笑)
FUJIFILMに関するほかの記事
当ブログでは、今回のようにFUJIFILMのカメラに関する記事がたくさんございます。
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